女の一生 2部 サチ子の場合

女の一生〈2部〉サチ子の場合 (新潮文庫)

女の一生〈2部〉サチ子の場合 (新潮文庫)

ネ タ バ レありです。
まず、1部のキクの場合の時、キクのいとことして「ミツ」という少女が登場していました。ミツもまた隠れキリシタンだった男と結婚しました。そのミツの孫にあたるのが2部のサチ子。時代は昭和の戦前、戦時中。勿論場所は1部同様長崎。
幼馴染として育ったサチ子と修平は時が経ちいつか想いを寄せ合うようになるが戦争によって離されて・・・というより結ばれることを許されない状況になってしまう。自分は明日をも知れぬ命ということから愛しいサチ子の思いを受けいれることができない修平。基督教徒の家庭に育った修平は戦争によって自分も人を殺さなければいけないことは教えと違うことから葛藤に陥り、人を殺すのならば自分も死ななければいけないと思い特攻隊にて最期を遂げる。ひたすら修平の無事などを祈るサチ子。
と、ある程度の流れは時代や状況が違うけども一部のキクとよく似てる。そしてサチ子にも遠かれキクの血が流れてるんだなって思わされる行動もチラホラ。ただ、キクと違い、サチ子も切支丹の家系に生まれたことからキリスト教徒ではある。
こちらも1人の男性を必死で愛した少女の話。キクの一部より少し弱いかもしれませんがそれでもかなり胸を打たれる思いでした。
どちらの話もけっこう余韻が残ります。あたしはまだキクとサチ子の余韻が抜けません。こんな本は正直初めてです。本当にどちらも名作だと思います。